討論

子供医療費を無料化する自治体が増えるなか、国は「ペナルティー」を科しているが…

 --現状は、自治体によって負担が異なり、地域差が生じている。

 「医療保険は国の制度で、未就学児は2割負担、就学児は3割負担が原則。医療全体で見ると、医療費の9割近くが税と保険料で賄われているのに、そもそも、自治体の裁量で無料化を広げていいかどうかは、きちんと整理する必要がある。地域行政には、認知症の人の見守り体制を作ったり、学童保育を充実するなど、他にもっと重要なことがあるのではないか。『子供のため』と言いながら、借金財政のなか、次の世代にツケを回して本当に良いのか。政治は負担の話から逃げるべきではない」

 --早めに医療機関にかかれば重症化を防げるといわれる。

 「子供医療費の助成は、健康指標に影響がないとの研究結果が出ている。健康に寄与しないなら、何のための無料化なのか。医療機関に行くことと、子供の健康を守ることはイコールではない。子供には保健が重要だ。歯磨き、運動、食生活、親子のコミュニケーションなど、生活全般が健康に影響を与える。無料化の財源があるなら、生活困窮者や児童虐待対策、保育や公教育の充実などに費用を振り向けるべきだ」(佐藤好美)

 〈おのざき・こうへい〉昭和44年、三重県生まれ。46歳。米ハーバード公衆衛生大学院理学修士。外資系ヘルスケア企業を経て、医療政策の調査・提言を行う「NPO法人日本医療政策機構」に参画。理事。

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