討論

子供医療費を無料化する自治体が増えるなか、国は「ペナルティー」を科しているが…

 --無料化は少子化対策につながるのか

 「最初の子供の医療費負担が重い場合、親は2人目、3人目も同様に負担が重いと考えがちだ。経済的負担を懸念して次の子供を産み控えるのはよくあることだが、医療費が無料なら、少なくとも医療費の心配はせずに済む。国の財源に限りがあるのは分かるが、子供の医療費の総額は高齢者と比べるとごくわずか。ただでさえ少ない子供を大切に育てる姿勢を見せてほしい」

 --無料化することで、過剰な受診が起きてはいないか

 「子供の虫さされの薬や湿布薬を、家族の分まで多めに処方してもらうケースも一部ではあると聞く。しかし、多くの保護者は必要にかられて受診しており制度を悪用してはいない。共働きが増え、身近に子育ての経験者がいない環境では、ちょっとしたことで子供の健康状態が不安になるのは当然のことだ」

 --無料化は自治体の子育て住民の獲得競争のようになっている

 「現在のように、自治体が単に住民サービスを競うように無料化の範囲を広げることには賛成しない。自治体は無料化とセットで、親に救急医療の使い方や医療費がどう負担されているかを説明すべきだ。小児救急の講習などを行う自治体はあるが、費用負担を含めた医療の仕組みを伝える活動はほとんどない。軽度の症状や救急の過剰受診があるかもしれないが、自己負担を求めることで抑制するのではなく、教育による意識の向上で適正化されるはずだ」(村島有紀)

 〈あま・きょうこ〉昭和49年、東京都生まれ。41歳。日本語教師などを経て平成19年、保護者と医師らによる市民団体「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」を設立。小児医療やホームケアの知識普及を行っている。

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