【ワシントン=青木伸行】ロイター通信によると、米海軍のジョン・リチャードソン作戦部長は17日、中国艦船が、フィリピン・ルソン島西方の南シナ海にあるスカボロー礁周辺で測量を行っており、新たな人工島を造成するための埋め立ての前兆だとみていることを明らかにした。
同氏は「水上艦による測量とみられる活動が続いていることを(米軍は)確認している。新たな埋め立て地域である可能性がある」と明言。さらに、中国が南シナ海に防空識別圏を設定する事態を、「確かに懸念している」と述べた。
スカボロー礁は、米海軍艦船の事実上の拠点となっているスービック湾から西へ約200キロに位置し、中国艦船が2012年以降、居座り続けている。
中国はこれまで、フィリピン南部パラワン島の目と鼻の先にあるスプラトリー(南沙)諸島で、人工島を造成し軍事拠点化を進めている。こうした動きがいずれ、スカボロー礁にまで拡大される恐れがあると、米、フィリピン両政府は懸念してきた。
中国が同礁の埋め立てを意図しているとすれば、これをいかに事前に阻止するか、新たな難題となる。