流通経済研究所の鈴木氏は、この現象をマーケティングの専門的な視点で読み解いた。
格好のネタ、SNSで拡散
鈴木氏は、キーワードとして(1)コミュニケーション消費(2)エクストリーム・ユーザー(3)デジタルマーケティング-の3つを挙げた。
「コミュケーション消費」とは、おもしろい話題を見つけては、スマホなどを使って流して、SNS上などで「あーでもない、こーでもない」とコミュニケーションの広がりそのものを楽しむ行為だ。
まさに「10分どん兵衛」はその格好のネタだった。
鈴木氏は、▽どん兵衛の高い認知度▽非常識な食べ方▽誰でも試せる▽自分なりの工夫をしたくなる▽コメントしやすい|といった要素が相乗効果を生んで、どん兵衛のコミュニケーション消費を活発にしたとみている。
「エクストリーム・ユーザー」は、変わった特性を持った消費者を指す。今回は、マキタスポーツ氏がその存在だ。商品開発のヒントになるものの、通常では発見困難な意見が、SNSを通じて、日清食品が知るところとなった。
「どん兵衛」不惑の40歳で
最後にデジタル・マーケティング。日清食品はホームページ上で「おわび」という〝謝罪〟ページを作ることで、ネットのアイデアを大企業が受け入れるというニュースを新たなに提供。SNSの「熱しやすいが、冷めやすい」という弱点をメーカーがカバーした形だ。