経済裏読み

どん兵衛「10分待ち」の衝撃、日清おわびSNSが崩した40年の常識

 ただ、かたい麺のコシにこだわる人は、物足りなさを感じるかもしれない。そもそも「時間がないから、カップ麺を食うのに10分も待てるか!」という異論もありそうだ。

世の中、見抜けず…日清食品の反省

 「10分どん兵衛」の火付け役は、お笑いや音楽などのジャンルで活躍するタレント、マキタスポーツ氏だ。自身が出演するTBSラジオの番組で紹介、ブログでも発信したことで昨年11月以降、SNSで大きな反響を呼んだ。

 この話題に食いついたのが「どん兵衛」の製造・販売元の日清食品だった。

 「10分どん兵衛」を知らなかったことについて同社は12月、「おわび」文書をホームページに掲載した。

 「5分でお客様においしさを届けるということに縛られすぎていて、世の中の多様性を見抜けていなかったことを深く反省しています」と〝懺悔〟。マキタスポーツ氏と「どん兵衛」担当者の緊急対談を企画し、どん兵衛に対する真剣な思いをぶつけ会う様子をホームページで公開した。

 ネット上では、食べ方への賛否両論だけでなく、「20分待ち」「30分待ち」とさらに時間を延ばして試す人や、どん兵衛のライバル「赤いきつね」(東洋水産)など、ほかのカップ麺に応用する人も現れ、次々と派生していった。

 「10分どん兵衛」のブームはなぜ、起きたのか。

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