主張

春闘一斉回答 脱デフレへ賃上げ続けよ

 力不足との印象は否めない。自動車や電機など主要企業の経営側が組合側に一斉回答した春闘交渉のことだ。3年連続で月給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の実施で決着したが、過去2年と比べ、その水準は低く抑えられた。

 新興国経済の失速や、円高傾向など景気の先行き不透明感が強まる中で、組合の要求は控えめだった。経営側も慎重な姿勢を崩さなかった。

 労使とも、今後の収益が安定して伸びる確信を持てなかったということだろう。

 個人消費を活性化して経済の好循環を促すためには、賃上げを続けることが不可欠だ。そのためには企業が生産性の向上などを通じて収益力を高め、これを従業員の賃金に配分する努力を労使で重ねなければならない。

 春闘相場のリード役とされるトヨタ自動車は、月3千円のベア要求に対し、1500円の回答にとどまった。3月期決算で過去最高益を見込み、一時金は満額回答だが、海外市場や為替の動向に加えて物価水準が低いこともベアに慎重となった理由だという。

 日立製作所やパナソニックなど大手電機各社でも、ベア回答は軒並み1500円となった。来期以降の経営環境の悪化を懸念する経営側のガードは堅かった。

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