防衛最前線(61)

新鋭潜水艦「じんりゅう」が就役 AIP搭載の「機密の塊」は何処で「国家防衛の任務」を果たすのか?

 艦内に入るためのハッチには、緑色のカバーがかけられていた。海自幹部によると、「ハッチの大きさや厚さから、潜行可能深度などの能力が露呈するのを防ぐため」だという。機密情報のかたまりとされる潜水艦の一端といえる。

 漆黒の艦体に白字で施された「じんりゅう」の文字と「507」の艦ナンバーは、近く消される。隠密行動を基本とする海自の潜水艦部隊にとって、どの艦が、どの海域で、どんな任務に従事しているかは秘中の秘。敵対する第三国に識別を許さず、任務データを蓄積させないためにも、全ての潜水艦から艦名などを消去するのは鉄則だという。

 じんりゅうの就役により、海自の潜水艦は17隻態勢となった。海自の潜水艦は平成6年3月から16隻態勢が続いていたが、22年ぶりに増強された形だ。これまでは新型の潜水艦の就役と同時に、老朽化した潜水艦が退役してきたが、今年からは順次増えていく。防衛省は平成33年度末までに22隻態勢を整える計画で、海自内では今年を潜水艦の増勢元年と位置づけている。

 海自幹部は「潜水艦の増強により、日本周辺海域の防衛態勢や偵察任務の遂行能力などが手厚くなる」と強調。武居智久海上幕僚長も8日の記者会見で「活動するエリアが今後はより広くなっていく」と指摘した。

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