ビジネスの裏側

飽和感が漂うショッピングモール、イオンの戦略とは…直線距離5キロでも共存できる?

 テナント数はともに160店と同規模だが、堺北花田は百貨店、堺鉄砲町は総合スーパーの強みをそれぞれ発揮できるとの考えだ。

都市部近くで適地増加

 モール業界ではイオングループだけでなく、三井不動産の「ららぽーと」や東急不動産の「キューズモール」はいずれも業績が堅調だが、最近では出店ラッシュによる飽和感が指摘されている。

 堺市のように近距離圏で2つのモールを展開するのもビジネスモデルが曲がり角にさしかかっているとの見方もできる。

 イオングループは、すでに同じ名古屋市港区にあるイオンモール名古屋茶屋とイオンモール名古屋みなとを展開。千葉県習志野市のイオンモール津田沼と同船橋市のイオンモール船橋、千葉市美浜区のイオンモール幕張新都心も近距離圏で運営されている。

 近距離圏の複数展開を成功させる秘訣は、規模の大小をバランスよく配置することでうまくすみ分けすることなのだという。

 近距離圏のモール展開が増えたのは、不動産市場の変化も影響している。これまでは地方の広大な土地に出店するケースが多かったが、モール展開に適した都心部に近い場所で工場や倉庫の撤退跡地が目立ってきたのだ。今後も既存モールの近くに出店する施設も増えそうだ。

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