イオンモール堺鉄砲町の顧客ターゲットは車で20分圏内の56万世帯、人口110万人に設定。堺市の中央部や西部を中心に南北に発達する交通網で北は大阪市西成区、東は同東住吉区、西は同住之江区、南は高石市からも集客できるとみている。
堺北花田も車で20分の範囲をメーンに堺市東部と松原市を商圏と設定しているが、両モールを行き来するには鉄道はもちろんなく、車では細かい道路を除くと片道一車線の府道187号を通行するしかないのが実情だ。つまり、両モールは地図上では商圏が重なっているようにみえるが、東西のアクセスが不便な交通事情を考えると、集客は南北ラインが中心となるため、すみ分けが図れるという判断だ。
テナント構成でもすみ分け
加えて、テナント構成について「両モールは使い分けしやすくしている」(藤木取締役)。高級志向とカジュアルと性格も別々に分けて顧客の奪い合いを避ける構えだ。
イオンモール堺北花田の特徴は、阪急阪神百貨店が運営する「堺北花田阪急」がテナントとして入居していることだ。百貨店の顧客に加え、衣料や生活雑貨でも高級指向に応えることができる。専門店は「難波からくる顧客を意識し、ファッション性が高い店舗をそろえている」という。
一方のイオンモール堺鉄砲町はイオンの総合スーパー、イオンリテールがメーン。専門店は、カジュアルでリーズナブルな店舗や品ぞろえを目指しているといい、堺北花田との差別化を打ち出している。