「琵琶湖の深呼吸」、暖冬で1カ月遅め 表層と深層、酸素濃度同じに 

 琵琶湖の北湖で14日、表層と深層の湖水の酸素濃度がほぼ同じになる「全循環」が確認されたと、県が発表した。この現象は水中全体の酸素が入れ替わることから、「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。この現象が起こる例年1月~2月中旬ごろ、湖底部分に酸素が十分供給され、生物のすみやすい環境に回復する。しかし、今年度は暖冬の影響で1カ月程度遅れており、昭和54年度に調査開始以降、平成18年度に次いで2番目の遅さとなった。

 県は毎月3~4回、高島市今津沖の北湖の2~7地点で、水面から50センチの表層と、水深90メートル付近の深層にある水の状態を調査。14日の調査では、このうち2地点で表層の水、深層の水がともに酸素濃度が1リットルあたり10ミリグラムを超え、同程度の酸素濃度になったことが確認された。

 北湖では、例年春頃から気温の上昇とともに表層の水温が上昇。深層の水との間に温度差が生じることによって、表層と深層で別々に循環し深層まで酸素が行き渡らなくなる。深層水は徐々に酸素濃度が下がり、10~12月にその年度の最低値を記録する。

 酸素濃度が1リットル当たり2ミリグラムを下回ると「貧酸素」状態になったとされ、湖底に生息するエビや貝類などが酸欠状態に陥る。だが、その後は寒さで冷えた表層水が深層に沈んで全循環が起こり、湖底部分も生物が住みやすい環境に回復。湖の生命にとって大切なサイクルとされている。

 今年度は正月に暖冬傾向が続き表層水がなかなか冷えず、全循環が遅れた。県琵琶湖政策課の担当者は「全循環が起こらなければ、琵琶湖の環境への影響が懸念される。確認できてほっとしている」と話している。

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