科学・震災5年

専門家から南海トラフの地震想定は「無責任に水増し」との声も

【科学・震災5年】専門家から南海トラフの地震想定は「無責任に水増し」との声も
【科学・震災5年】専門家から南海トラフの地震想定は「無責任に水増し」との声も
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 東日本大震災をもたらしたマグニチュード(M)9・0の巨大地震を予見できず、地震学は5年前に大きな批判を受けた。この反省から国は地震の予測を抜本的に見直し、より大規模なケースを想定するようになったが、過大評価との意見も少なくない。試行錯誤が続く震災後の巨大地震研究を探った。(黒田悠希)

物理学の「敗北」か

 大震災で特に大きな批判を浴びたのは地震の物理学だ。東北地方の太平洋沖ではM7~8級のプレート(岩板)境界型地震が同じ場所で繰り返し起きるとするもので、国や自治体の防災対策はこの考え方が基礎になっていた。

 東北沖では日本海溝から西へ沈み込む太平洋プレートと、陸のプレートの境界面に部分的に強くくっついた領域(固着域)がある。ここにたまったひずみが限界に達すると、それを解放するため岩盤が壊れて境界面が滑り、地震が起きる。ひずみをためずに定常的に滑っている場所では地震が起きない。これが地震物理学の根本だ。

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