医療事故防止に向け大学病院長の裁量拡大へ 制度改正検討

 政府は13日、医療事故防止など大学病院の安全管理体制の拡充に向け、病院長の裁量を拡大する方針を固めた。厚生労働省の有識者会合が夏ごろまで進める検討をもとに省令改正などを行い、職務権限を明確にする。これまでの医療事故では、病院長が求めた安全対策予算を大学が認めず事故発生の理由の一つと指摘されるケースがあり、制度改正によって現場の実情に即した対策を病院長の権限で柔軟に行えるようにする。

 制度改正の対象となるのは、高度医療の提供を行う「特定機能病院」。平成27年6月現在、承認を受けているのは84病院で、このうち大学病院の本院は78に上る。

 具体的には厚労省令や通知を改正し、特定機能病院の承認要件を見直す方向。法令に規定がなかった病院長の権限を明確にし、人事や予算の決定権を強化する。これにより、医療事故の防止策や医療従事者の配置など、安全管理に必要と思われる対策を、病院長の裁量で迅速、臨機応変に行えるようにする。

 これまでは人事や予算の決定権を大学の理事会などが握るケースが多く、現場の実情に通じた病院長の裁量が限定されているとの指摘が出ていた。

 26年に群馬大病院などで相次いだ医療事故では、病院長に安全対策の予算権限がなく、事故を回避できなかった理由の一つとされるケースがあった。

 厚労省の有識者会合が今夏をめどにまとめる報告書では、病院長の選任方法などを病院の内規で定めるよう求めることも検討する。