主張

災害弱者 少子高齢化への対応急げ

 少子高齢化や人口の減少にあわせて意識を変えなければ、今後の災害への対応はできなくなるだろう。政府や自治体は早急に人口動態を織り込んだ実効性のある政策を練り上げてほしい。

 東日本大震災では高齢者ら「災害弱者」の避難を手伝って津波被害に遭った人もいる。災害弱者をどう社会で守るか。これは大きな課題である。

 高齢化が本格化するのはこれからだ。国の推計では15年後には75歳以上が全体の2割を占める。1人で動けない災害弱者の増大にも通じる。人口が激減する地域では見守りの目も弱まる。

 政府は災害対策基本法を改正し、自力避難が困難な高齢者や障害者を「避難行動要支援者」と位置付けている。自治体に要支援者名簿や個別の避難計画の作成を求めたが、支援者の確保は思うように進んでいない。地域内で災害弱者の情報を共有し、住民の役割分担を明確にしておくことが欠かせない。緊急時の対策は平時に万全を図らなくてはならない。

 高齢者同士で助け合う場面も増えるだろう。若者に比べて避難に時間がかかるため、迅速に災害情報を提供し、早め早めの行動を促すことが重要となる。各自治体には、高齢者の視点に立って避難計画や災害対策の点検を徹底するよう求める。

 加えて深刻なのは、少子化に伴い、災害時に救助にあたる自衛官や警察官、海上保安官、消防官といった若い力の確保が、年々困難さを増すことだ。

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