福島第1原発事故

汚染雨水の迂回路が月内に完成へ 外洋への流出ストップ

 東京電力福島第1原発で、放射性物質に汚染された水が大雨が降るたびに外洋(港湾外)へ流出していた問題で、今月中に排水路を付け替えて迂回(うかい)する工事が完成する。現場は急斜面で場所が狭く、工事は難航していた。汚染雨水の外洋流出は、地元漁業関係者の不安を膨らませていたが、その懸念が一つ払拭される形だ。

 これまで汚染雨水が流れ出ていたのは、1~4号機の西側を通る「K排水路」。流出は平成26年3月ごろから始まったとみられるが、東電がその事実を公表したのは昨年2月。当時、東電は「原因究明してから公表しようと思った」と釈明、地元から批判を浴びていた。

 同年5月から、K排水路から港湾内へつながる「C排水路」につなげる工事に着手。港湾内は、放射性物質の拡散を防ぐ水中カーテン(シルトフェンス)が設置されており、放射性物質濃度の管理も徹底されている。

 排水路の付け替え工事の間は、K排水路の排水口付近に仮設ポンプを8台置いて応急措置を施した。しかし、予想外の雨量にポンプのくみ上げが追い付かず、ポンプの故障などもあり、これまでに約10回の外洋流出を招いた。

 地元側はポンプの増設など早急な対策を再三要求していたが、東電は「場所がない」として、工事の難航に頭を悩ませてきた。

 今月下旬には、汚染水の増加を防ぐために建屋周辺を取り囲む「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」の海側の運用も始まる。凍土壁が本格運用されれば、汚染水の増加量は1日約550トンから90トン程度に減らせる見込みがある。原発事故から5年を経て、汚染水問題は新たな段階を迎える。

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