東日本大震災から5年となる11日、赤穂産と被災地の宮城・気仙沼産をブレンドした塩を使って作られる「3・11絆ラーメン」が、赤穂市役所前で振る舞われる。江戸時代、赤穂から気仙沼に伝えられたとされる塩作り。その技術を受け継ぐ気仙沼の職人は震災で犠牲となったが、その名人の塩を使ったラーメン作りで東北の復興に役立てようというイベントで、今年で4回目となる。
気仙沼で伝統の塩作りを続けていた名人の1人が、遠藤伊勢治郎さん。塩作り体験ができる塩釜も作るなど、赤穂からの技術を受け継いでいたが、震災で津波に巻き込まれ、81歳で亡くなった。このとき、遠藤さんが設けていた塩釜も流されてしまったという。
その後、遠藤さんの塩を復活させようという動きが生まれ、震災翌年の平成24年11月、塩釜が復活。同12月に赤穂市で開かれた「赤穂義士祭」にも、その復活の塩が送られた。
これをきっかけに翌年から、赤穂市民有志が3月11日の復興イベントを企画。遠藤さんの塩と赤穂の塩がブレンドされたオリジナルのスープで作る塩ラーメンを311杯、1杯300円で売り出すことになった。売上は気仙沼市階(はし)上(かみ)観光協会に寄付されている。