防衛最前線(60)

海自「TC90」練習機 哨戒機パイロット養成だけでなく南シナ海では中国への警戒・監視に利用

 フィリピン軍内では中国への抑止力としての期待を集めるTC90だが、海自で警戒・監視任務に使われることはない。「練習機」と冠されている通り、P3Cをはじめとする固定翼機パイロットの養成過程で活用される。

 特に、管制官から指示を受け、計器の情報だけを元に飛行する「計器飛行」を習得する訓練で活用される。悪天候で視界ゼロに陥った場合でも、安全に飛行するために必要な技術だ。この計器飛行訓練や、「T5」練習機による通常飛行訓練の課程を終えたパイロットが、P3Cなどの実地訓練へと移る。

 TC90の配備先は第202教育航空隊(徳島)。乗員は5人で、巡航速力は196ノット(時速約360キロ)。米ビーチクラフト社が開発した小型プロペラ機「C90」をベース機とする。初号機は昭和48年に就役。初期に導入された機体は退役が始まっているが、現在も調達が続いており、海自が誇る凄腕の哨戒機パイロットを養成し続けている。

(政治部 石鍋圭)

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