震災5年

いまだ消えぬ風評被害 福島野菜の店 閉店決断 世田谷・オルガン堂

風評被害払拭をめざし、福島県産農産物の安全性と品質をPRする佐藤達也店長=東京都世田谷区代沢
風評被害払拭をめざし、福島県産農産物の安全性と品質をPRする佐藤達也店長=東京都世田谷区代沢

 東日本大震災から5年。東京電力福島第1原子力発電所事故後、福島県産の野菜を販売してきた「ふくしまオルガン堂下北沢」(世田谷区代沢)が今月20日、閉店する。店内はにぎわいをみせるが、風評被害を完全に払拭するため、今後はどんなPR活動が必要なのかを立ち止まって考えるための決断という。(植木裕香子)

 同店は都会の消費者に福島県産農産物の安全性と品質を知ってもらおうと、平成25年にオープンした。店頭に並ぶ福島県産の農産物は、放射性物質の検査を受けたものばかり。いずれの農産物も国内安全基準の1キログラム当たり100ベクレルを下回っているが、放射性物質の濃度を記載しているため、「放射性物質があるじゃないか」などと指摘する人もいる。特に幼い子供がいる主婦らは、福島県産の野菜を敬遠しがちだという。

 「外国産農産物の方が放射性物質の濃度が高いものもあるだろうに、スーパーで売っていてもみんな普通に買っていく。食べてみてくれよ、って思う」。福島県出身の佐藤達也店長(28)は、悔しそうな表情を浮かべる。

 それでも、福島県産野菜に関心があるからこその「批判」と前向きに受け止め、同店を訪れる消費者に根気よく説明し、質問にも答えてきた。

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