関西の議論

これも爆買いの置き土産?殺虫剤も効かない「スーパー南京虫」増殖にホテル戦々恐々

 政府観光局によると、円安やビザ発給要件の緩和などにより、25年に初めて訪日外国人が1千万人を突破。27年には2千万人にも迫る勢いを見せたが、それに伴って南京虫の相談件数も飛躍的に増加している。

 特に中国からの訪日客は昨年、国・地域別で1位となり、「爆買いマネー」が飛び交った時期とも符号する。ある専門家は「あくまでも推論だが、中国からの訪日観光客や往来の増加との関連を疑う声もあるほどだ」と指摘する。

ひそかに入国? 世界的な問題に“拡大”

 南京虫は実際に中国南部の広東省から江蘇省などにも多く分布する吸血性の昆虫で、成虫は体長5~8ミリ。赤褐色で胴体はやや丸く、平たい形をしているのが特徴だ。トコジラミという和名がついているが、実はカメムシの仲間に分類される。部屋の隅やベッドの裏などに潜んで繁殖する。

 「南京虫にかまれたら、悲鳴をあげるほど全身がかゆくなり、一睡もできなくなる」

 かつて中国・広州を旅行中に、南京虫の被害に遭ったという大阪府内在住の30代の男性が証言するように、南京虫は人の手足などを吸血して成長する。しかも、条件が良ければ一度の吸血で1年以上も生きられるといわれるように生命力も強い。

 一般社団法人大阪府ペストコントロール協会の曽谷久嗣副会長は「確かに南京虫は訪日外国人によって持ち込まれた可能性は否定できない。スーツケースの車輪のすき間などに潜み、そのまま滞在先のホテルなどで繁殖したケースも少なくないだろう」と話す。

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