即時停止の衝撃(中)

巨大な暗雲が覆いかぶさってきたようだ…プレッシャー高まる関電の焦燥

【即時停止の衝撃(中)】巨大な暗雲が覆いかぶさってきたようだ…プレッシャー高まる関電の焦燥
【即時停止の衝撃(中)】巨大な暗雲が覆いかぶさってきたようだ…プレッシャー高まる関電の焦燥
その他の写真を見る (1/3枚)

 10日午前、福井県高浜町の関西電力高浜原子力発電所の事務所フロア。3、4号機の運転を差し止める大津地裁の仮処分決定を受け、関電の豊松秀己副社長が集まった約200人の所員の前に立った。「みなで励まし合いながら、この難局を乗り切っていきたい」

 所員はそれぞれの持ち場につき、3号機の停止操作に入った。中央制御室では、発電量や原子炉の状況を確認しながら、手順を声に出し機器類を操作。「起動と同じくらい緊張する」作業だという。

 午後5時過ぎ、送電網と発電機が切り離され、大阪市内の中央給電指令所に据えられた発送電量の表示メーターは「0」になった。「起動して40日余りで停止するなんて…」。関電社員の表情に徒労感がにじんだ。

 午後7時59分、原子炉が停止。関電関係者は「巨大な暗雲が頭上に覆いかぶさってきたようだ」と話した。

■   ■

 仮処分決定の前、原子力関係者の信頼性を損なう出来事が相次いでいた。

 東京電力は2月、福島第1原発事故の2カ月後に認めた炉心溶融(メルトダウン)について、当時のマニュアルに基づけば3日後に判断できていたと発表。関電も2月、高浜4号機で放射性物質を含む1次冷却水漏れを起こし、再稼働後には発送電作業中のトラブルで原子炉が緊急停止した。

 関電関係者は「裁判長の原発の安全性に対する疑念を増幅させてしまったのではないか」とみる。

会員限定記事会員サービス詳細