広島県府中町立中3年の男子生徒=当時(15)=が昨年12月、間違った進路指導が原因で自殺した問題で、同校は9日、緊急の全校集会を開き、自殺直後に「病死」としていた死亡理由を改め、全校生に自殺の事実を伝えた。また、自殺前の男子生徒の様子について、3年生から聞き取り調査を始め、全校生に対するアンケート調査も実施することにした。
同校の生徒は雨が降る中、教諭に見守られながら足早に登校。集会は午前8時半から体育館で行われ、全校生約600人が参加した。坂元弘校長は、病死ではなく自殺だった事実を明らかにした上で、不適切な進路指導により自殺を招いたことを伝えた。
また、「病死」とした理由として、高校受験前の重要な時期だったことと、遺族の意向があってのことだったと説明、謝罪した。1、2年生には、「学校生活を建て直したいので、協力してほしい」とお願いもしたという。
一方、自殺した男子生徒の担任は昨日から体調を崩しており、昨夜の保護者説明会に続いて集会も欠席した。その保護者説明会では学校の対応などに質問が相次ぎ、予定を大幅に超えて4時間近く続き、説明会の再開催を求める声も上がった。問題の詳細がはっきりしないなか、同校や町教委には9日も抗議の電話が相次いだ。