香川県土庄町にある巨樹でシンパクとしては国内唯一の特別天然記念物「宝生院のシンパク」の保全などを目的に、地元有志らが「宝生院のシンパク保存会」(会長・谷久浩一県議)を設立。同院の檀家(だんか)や行政関係者ら約40人が参加した発会式で、地域の宝を大切に守り育てていくことなどを確認した。
シンパクはイブキとも呼ばれるヒノキ科の常緑高木で、小豆島霊場54番札所・宝生院の境内にあり、樹高16・9メートル。枝は北、南、西の3方向に伸びており、文献などから樹齢は約1600年とされている。
昨年、小豆島で開かれた「全国巨樹・巨木林の会」(全国の巨木愛好者らで組織)の総会では、多くの関係者らがシンパクを見学した。同総会を機に健康診断を実施したところ、周囲の土壌が踏み固められていることから保水力や透水性、通気性の改善が指摘された。
保存会では今後、固い土壌を改良するとともに、木製歩道を整備するなどして見学者らが踏みしめない対策などを講じていくという。
同シンパクには約1600年前、応神天皇が小豆島を訪れた際、記念に植えたとされる伝説が残り、地元では祝いの際に打つ拍手と真柏(しんぱく)の「かしわ」に重ねて「愛(め)でるべき木」として大切にされている。