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共通テスト不正 受験生出頭

浪速風

震災とザシキワラシの伝承

明治43(1910)年に刊行された「遠野物語」は、民俗学者の柳田国男が、岩手県遠野出身の知人から聞いた民間伝承の奥深さにひかれ、自らも遠野を旅してまとめた。数々の里の神、山の神、家の神が登場するが、なかでも座敷童(ザシキワラシ)がよく知られる。

▶「旧家にはザシキワラシといふ神のすみたまふ家少なからず。この神は多くは十二、三ばかりの童児なり。をりをりに姿を見することあり」。いたずら好きで、いなくなるとその家は衰退するという。幼いころに亡くなったり、間引きされた子供の霊で、部屋の隅に菓子や玩具を供えたのが始まりでは、との説もある。

▶子供を失った悲しみ、それでも生きていかなければならない親のつらさが伝わってくる。東日本大震災では多くの子供たちが犠牲になった。ザシキワラシとなって、残された家族を見守っているのかもしれない。まもなく5年になる。かなわぬ願いだが、成長した姿を一目見たいだろう。