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夫妻は先月20日、仙台市内で弁護団と記者会見を開いた。「銀行にはきちんと向き合ってほしかった」。田村さんの妻、弘美さん(53)は悔しさをにじませた。
「これ以上悲しむ家族を作ってほしくない。銀行は再発防止に努め、慰霊という形で息子に手を合わせにきてもらいたい」
孝行さんは、日航ジャンボ機墜落事故やJR福知山線脱線事故の例を挙げ、両社の社員への安全教育や遺族との向き合い方について触れ、「銀行は行員に女川支店の反省や教訓を伝えてほしい」と強調。原因究明や管理者に対する罰則などに関して、制度化の必要性を訴えた。
「5年間は本当にあっという間。ご縁のある皆さんが背中を押し、支えてくれたおかげ。精いっぱい戦い抜くことができた」