科学〜歴史地震研究

古文書の崩し字を解読、IT活用も

ITも活用して古文書の解読に取り組む京都大の加納靖之助教=京都府宇治市(草下健夫)
ITも活用して古文書の解読に取り組む京都大の加納靖之助教=京都府宇治市(草下健夫)

 京都大では週1回、地震学者が歴史学者の手ほどきを受けながら古文書を解読する「古地震研究会」が開かれる。10人ほどの出席者は印刷された史料やスクリーンを見つめ、思案しながら文字を読み上げていく。研究者だけでなく、大学職員や学生の姿もある。

 日本で近代的な地震観測が始まったのは明治時代。それ以前の古地震を理解するには歴史記録が不可欠だ。しかし、崩し字で書かれた古文書の解読は容易ではない。

 研究会の加納靖之・京大防災研究所助教(地震学)は「歴史学や文学の専門家には本来の研究があり、彼らに頼るのは限界がある。地震学者が自らの視点で読めば独自の発見があるかもしれない」と意義を強調する。

 貞観地震で大津波が襲ったことは古文書で知られていたが、学界ではあまり注目されず、東日本大震災の発生を予測できなかった。3年前、有志の地震学者が研究会を作った背景には、この反省もあった。

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