その日本料理店のホールを担当する人々の中に、笑顔の日本人がいた。当然、板前の方は日本人だ。九州出身という彼は、2001年の同時多発テロの半年前に渡米。ここで15年の歳月を過ごし、今では坂本龍一さんも常連の人気店になった。
会場には建築家の重松象平さんもいた。メトロポリタン美術館で展覧会のデザインも手がける実力の持ち主にも関わらず、非常に腰の低い、親しみのある方だった。世界のさまざまな場所で、こうして頑張っている日本人がいることを、とても心強く思う。そんな充実した夜。ここは多様な文化が行き交う町、ニューヨーク。