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【モスクワ=黒川信雄】ドルやユーロなどの外貨建てで住宅ローンを組み、通貨ルーブルの暴落で返済が困難になった人々が5日、モスクワ市内で政府に支援を要請する集会を開いた。
ロシアでは、2008年のリーマン・ショック以前に銀行が積極的に外貨建てローンを提供したとされる。ルーブルの価値は原油安や欧米の経済制裁の影響で、14年以降急落。過去10年間では対ドルで半分以下に落ち込んでおり、外貨でローンを組んだ人はルーブルでの返済額が膨れあがっている。
シングルマザーで幼い子供を育てているというユーリャさんは07年にローンを組み、現在も6万4千ドル(約730万円)の残債がある。「銀行から、ドル建てでなければローンを組めないといわれた。リスクについては何も説明がなかった」と憤った。中年の女性は記者に「日本でも中国でもいいから人道支援をしてくれ」と訴えた。
6万ドルの残債があるロマンさんは「銀行は学生にすら住宅ローンを貸していた。借りた方にも責任があるが、危険な状況を知りながら放置していた国にも責任がある」と主張した。