2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設で、新たな問題が浮上した。大会のシンボルとなる聖火台の設置場所が決まっていないことが判明。遠藤利明五輪相を中心とした検討チームで、4月中にも方向性をまとめることになった。新国立競技場は5月中に基本設計を終える予定。時間がない中、なぜこんなことになったのか。(東京五輪取材班)
昨年12月に決定した現計画では、聖火台の設置場所は想定されていない。木材を使用した屋根が観客席を覆うことから、上部に設置すれば消防法上の問題が生じる懸念もある。3日の記者会見では、報道陣からいまだ取り扱いが決定していないことを疑問視する質問が相次いだ。
遠藤氏は自身が議長を務める関係閣僚会議で聖火台に関する議論がなかったことを認めた上で「セレモニーの一環としてとらえ、その中で議論される」と認識していたという。東京都の舛添要一知事は「(建設の事業主体の)日本スポーツ振興センター(JSC)が考えていると思っていた」としながらも、「『聖火台どうなの?』という議論が出なかったのは反省しないといけない」と述べた。