鴻海・シャープ買収「破談」回避へ〝隠れ借金〟軽微、7日までに査定終了

 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープの買収契約を保留している問題をめぐり、両社が今月9日にも調印する方向で最終調整に入ったことが3日、明らかになった。鴻海がシャープの財務内容を精査したところ、保留の原因となった潜在的な債務(偶発債務)が想定よりも少ないことが判明したため。両社は買収合意の破談を回避する。

 関係者によると、鴻海はシャープの資産査定を7日までに終える方針。これまでの調べでは、将来発生する可能性のあるシャープの偶発債務は、1千億円未満にとどまる見通しだ。

 鴻海側にシャープから2月24日に渡された偶発債務のリストでは、3千億円を超える巨額の規模になっており、これが翌25日の買収合意後の鴻海の契約保留の原因になっていた。新たに発生する危険性のある債務が2千億円以上圧縮される見通しとなり、正式な契約にめどがたった。

 リストには、特許訴訟での敗訴に伴う損害賠償費用、太陽光パネルの原材料費の値動きによる損失のほか、実現可能性が極めて低い債務が計上されていたとみられる。

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