最高齢85歳の高校生卒業「校訓胸に精進続ける」 土浦一高

 土浦市真鍋の県立土浦一高の定時制(4年制)に通い続けた県内最高齢の生徒、吉田郷里(さとり)さん(85)=同市桜ケ丘町=が1日、同校を卒業した。在学中、遅刻や早退、欠席をせずに登校し、トップの成績を収めた。同日開かれた卒業式では卒業生15人を代表して答辞を読んだ。

 吉田さんは昭和20年に当時の国民学校高等科を卒業し、14歳で大手電力会社に入社。62歳で関連会社を退職した。

 若者が学ぶ環境に身を置いて新鮮な視点で勉強することで、自分の人生に新たなヒントを与えてくれるのではと、高校受験を思い立ったという。

 あれから4年-。答辞では「『自主、協同、責任』の校訓を胸に、つらくても耐え、これからも精進を続けます」と述べた。「考査に備えて教科書とノートを何回も読み返しました。『読書百遍義自見(ひゃっぺんぎおのずからあらわる)』との言葉が私にも当てはまるか、確かめたかったのです」とも語った。

 これに先立ち、横島義昭校長は式辞で「吉田さんは生徒の一人ではありますが、私たち教師にとって、机を並べたクラスメートにとって、人生の師であったと思います」とたたえた。

 「仰げば尊し」の斉唱の際、吉田さんの目からは涙がこぼれていた。

会員限定記事会員サービス詳細