浪速風

まさかのトランプ大統領が…

今週はアカデミー賞と大統領選のスーパーチューズデーにくぎ付けだった。どちらもアメリカ的である。アカデミー賞ではレオナルド・ディカプリオさんが念願の主演男優賞を獲得した。会場は総立ちで称えたが、受賞のスピーチは意外に平凡だった。感極まると、そうしたものだろう。

▶最近では4年前のメリル・ストリープさんが印象深い。「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で主演女優賞を受賞して、「今、アメリカの半分からため息が聞こえたわ。『また彼女かよ』って」。助演女優賞を含め3度目だったからだ。「まあ、いいわ。好きに言わせておくわ」。笑いと拍手喝采だった。

▶ドナルド・トランプ氏にもため息が聞こえる。作・演出・主演の独り舞台で、過激な言動はひんしゅくを買う。しかし、現状に不満で留飲を下げる向きも多い。勝利を積み上げて、もはや異端ではなく共和党の候補指名争いの先頭を走る。「まさか…」が本気で心配になってきた。

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