「イムジン河」 50年目の真実(3)

名曲「イムジン河」は北ではウケなかった……そして日本でよみがえる

田月仙さん
田月仙さん

 「イムジン河(北朝鮮ではリムジン江)」は、1957年に北朝鮮で生まれた。作詞は国歌を作った朴世永(パク・セヨン)、作曲は高宗煥(コ・ジョンファン)。2人はともに「南」のソウル出身で、後に「北」へ渡っている。ある日、懐かしい故郷の話になり、「北から南へと流れる川に託して歌を作ろう」となったという。

 初演は翌58年、北朝鮮・平壌で行われた共和国(北朝鮮のこと)創建10周年記念放送夜会コンサートでソプラノ歌手の柳銀景(ユ・ウンギョン)が独唱した。オリジナルの音源は見つかっていないが、後に作曲者の高が指導して「初演を再現」したCD(「臨津江物語」コリア音楽研究所)がある。ザ・フォーク・クルセダーズ(フォークル)が歌ったバージョンと比べると、テンポがゆったりしており、女声のソプラノで情感たっぷりに朗々と歌い上げている。

 鳴り物入りで初演された歌だったが、その後、北朝鮮のコンサートなどで歌われた記録はない。つまり一回きりで消えてしまった。北の大衆に支持されなかったからである。

会員限定記事会員サービス詳細