【主張】認知症事故訴訟 介護実態に即した判断だ(2/2ページ) - 産経ニュース

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主張

認知症事故訴訟 介護実態に即した判断だ

 判決では、容易に監督可能な場合など賠償責任を負うケースがあることも示された。今回は免責されたが、認知症患者が徘徊し、他人に損害を与えて家族が賠償を求められる例は、決して人ごとではない。

 それに備えた民間の保険もあるが、適用対象が限られる。この拡大などを国が後押ししていく必要もあるだろう。

 65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症といわれる。団塊の世代が75歳以上となる約10年後には5人に1人とさらに急増するとの推計もある。症状なども人によってさまざまだ。地域で守る態勢が欠かせないが、現実には、家族に著しい負担がかかっている。

 裁判官の個別意見でも指摘されたように、高齢者介護は個人や家族だけでは限界がある。長期にわたり家族が目を離さず監視するのは不可能に近い。それを求めれば拘束して閉じ込めてしまうことになりかねない。

 家族の負担をいかに軽減できるか、支え見守る態勢をさらに考える契機ともしたい。