厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、平成27年10~12月期の運用収益額が4兆7302億円の黒字だったと発表した。国内外の株式市場の持ち直しを反映して、株価が低迷した27年7~9月期の7兆8899億円の赤字から大幅に改善した。ただ、年明け以降の株価下落の影響で、28年1~3月期の収益額は再び赤字に転じる可能性が高い。
27年12月末の運用資産額は139兆8249億円だった。27年10~12月期の収益額の内訳は国内株式が2兆9660億円、外国株式が1兆5854億円、国内債券が3785億円のいずれも黒字だった。13年4月の市場運用開始から27年12月までの累積では50兆2229億円の黒字だった。
27年12月末の資産構成割合は、国内債券が37・76%(9月時点は38・95%)で過去最低の一方、外国株式は22・82%(21・64%)と過去最高を更新。国内株式は23・35%(21・35%)で過去2番目の高さだった。
だが28年1~3月期は中国経済の減速や原油安を背景に国内外の株式市場が低迷しており、GPIFの担当者は「収益はマイナス基調にある」と話している。