ただ、同居していた妻は高齢の上、「要介護1」の認定を受けていたなど「監督義務を負わせるのは酷だ」と、1、2審判決に批判も多い。また、介護の方針を決定していたとされる長男の責任についても、認知症を抱える家族らから「同居していない家族に責任を負わせれば、家族による積極関与が失われ、介護の現場は崩壊する」と反発が出ていた。
平成19年12月7日、愛知県大府市で徘徊症状のある男性が電車にはねられ死亡。男性は当時「要介護4」の認定を受けていたが、同居していた当時85歳の妻らが目を離したすきに男性は外出していた。事故後、JR東海と遺族は賠償について協議したが合意に至らず、22年、JR側が「運行に支障が出た」として遺族に720万円の支払いを求めて提訴した。