秘録金正日(65)

日本人拉致は「盲動分子がやった」言い訳は金大中の助言だった? 小泉との首脳会談で謝罪した真意とは…

 日本では、盟友といえる首相、小泉純一郎に「対テロ戦争」への支援を求めた。小泉は「断固、立ち向かう」と応じ、全面的な支援を約束する。大統領夫人のローラ・ブッシュも回顧録で「9月の同時テロ後、真っ先に米国へ手を差し伸べたのは日本の小泉首相だった」と振り返っている。

 韓国でも、大統領の金大中(デジュン)を前に「北朝鮮は最も危険な武器商だ。決して座視しない。金正日は悪辣(あくらつ)な独裁者だ」と嫌悪感を隠そうとしなかった。

 北朝鮮は「反テロ名目で敢行される米帝(米国)と南朝鮮(韓国)の反共和国(北朝鮮)政策」に強く反発。金大中は4月、正日をなだめるために大統領統一外交安保特別補佐官の林東源(イム・ドンウォン)を平壌に派遣する。

 林は「ブッシュ大統領は北を信用せず、対話に否定的だ。いかなる代価もないという立場だ」と正日に告げ、こう取りなした。

 「しかし、金大統領は首脳会談で、ブッシュ大統領から『北を攻撃しない』という約束を取り付けた」

 食事を挟んで5時間に及んだ面談で、正日は「米国とは、事業(関係)をよくしようと努力してきた。ブッシュ大統領は『うまくやろう』と言いながら、われわれを無視し、悪口を言ってきたではないか」と米国に対する複雑な感情を吐露し、続けた。