聞きたい。

浅田次郎さん『獅子吼』 短編で読まない人振り向かせたい

【聞きたい。】浅田次郎さん『獅子吼』 短編で読まない人振り向かせたい
【聞きたい。】浅田次郎さん『獅子吼』 短編で読まない人振り向かせたい
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 短編を書き続ける理由のひとつは、昨今、めっきり増えてしまった本を読まない人を振り向かせたいからだ。「(読書習慣のない人に)いきなり上・下巻の長編小説はハードでしょう。短い物語なら『面白そう』と手にとってくれるかもしれませんから」

 今回の6つの短編も、とにかく「面白い物語」を基準に選んだ。表題作の『獅子吼(ししく)』は戦時中、軍の命令で殺されることになった動物園のライオンを動物側の視点で描く。「反戦がテーマ? うーん、好んで戦争をする人はいないけど、実際に戦争は絶えることがない。『動物』から見たら、そんな『人間』が愚かしく見えるでしょう」

 『うきよご』は私生児をさす京都の古い言葉。複雑な家庭に育った少年は東大受験を目指し顔すら覚えていない腹違いの姉を頼って上京してくる。背景の「東大入試中止」(昭和44年度)は著者の世代。妙な空気がそこにあった。

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