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日銀のマイナス金利政策導入の影響が消費者の間にも広がっている。いわゆる「たんす預金」のための金庫や、利回りのよい百貨店の積み立てなどに人気が集まる一方で、住宅ローンの金利も低下し、借り換えを検討する好機となりそうだ。傾向や注意点を調べてみた。(中井なつみ、戸谷真美)
たんす預金
「マイナス金利対策の影響でも注目されてます!」。東京都調布市のホームセンター、島忠ホームズ仙川店では、2月中旬から金庫売り場にこんなポップを掲げている。島忠全体の金庫の売上高は、直近の1カ月で前年同期に比べ1・7倍。15~21日の1週間には、同2・5倍になった。マイナス金利政策の導入により、「銀行預金の金利も将来、マイナスになってしまうかも」という不安が広がり、「たんす預金」用の金庫を求める人が増えているようだ。
生活雑貨を扱う池袋ロフト(東京都豊島区)でも、普段はほとんど動かない金庫が、20、21日の週末だけで7個も売れたという。
ただ、学識者らで構成する金融法委員会(事務局・日銀)は今年2月、「預金の利息を預金者が支払うことは契約上できない」とする見解を発表した。つまり、金融機関が個人の預金にマイナス金利をつけて、口座から差し引くことはできないということだ。
ファイナンシャルプランナーの新美昌也さんは「たんす預金は盗難などの危険もある。冷静な対応を」と呼びかける。