台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業とシャープは26日、買収の交渉期限を当初の今月29日から1~2週間程度、延長することで合意した。鴻海はシャープの財務情報を精査する必要があるとして、支援契約を保留しており、両社は期限を延長して、打開を図る。
シャープの高橋興三社長が26日、中国南部の深●(=土へんに川)を訪れ、現地に滞在する鴻海の郭台銘会長と会談。関係者によると、鴻海側から、シャープに期限延長の提案があり、同社は受け入れる方針を固めた。
シャープは25日の取締役会で鴻海からの支援受け入れを決めたばかりだが、両社の主張の食い違いが表面化。決着は3月にずれ込む公算が大きくなった。
保留の原因となったシャープの潜在的負債にあたる「偶発債務」の存在について、シャープは26日に声明を発表し、「会計基準に基づき、適切に開示している」と主張。
しかし、鴻海は、「大部分の内容が双方が過去に協議した際に提出、通知されたことがなかった」との声明を発表し、シャープの主張を否定する異例の事態となった。
両社とも早期の契約を目指して協議を継続する方針だが、関係がこじれることに市場の懸念が広がりそうだ。
26日の東京株式市場ではシャープの株価は大幅続落。終値は前日比17円(11・4%)安の132円で、一時、24円(16・1%)安の125円まで下げた。
一方、シャープ支援に名乗りを上げていた官民ファンド、産業革新機構首脳は26日、同日で支援の議論を終えたとの認識を示した。