一筆多論

安保法廃止法案こそ「戦争法」だ 榊原智

 「なぜ(民主党など野党5党は)中国や北朝鮮の代弁をしなければいけないのか。喜ぶのはどこの国なのか」

 保守系野党の「日本のこころを大切にする党」の中野正志幹事長が、民主党など5党が国会提出した安全保障関連法の廃止法案を批判した発言だ。

 もっともな指摘だと思う。

 日米同盟の絆を強め、戦争を抑止するための安保関連法を廃止したらどうなるか。日本の安全保障をはかる天秤(てんびん)は、平和ではなく、戦争発生の危険性を増す方へ傾いてしまう。廃止法案の方がよほど「戦争法」である。

 安保関連法の制定で、自衛隊と米軍がお互いに守り合う当たり前の態勢が固まった。日本が「やっぱりあなたたちを守るのはやめた。でもわれわれのことは守ってくれ」と態度を翻したら、米国民はあきれかえり、日本への不信感を募らせるに決まっている。同盟の機能はひどく低下する。

 強固な日米同盟があればこそ、米太平洋軍は日本を守り、南シナ海などの海洋の自由を保つ行動をとれる。日米同盟は、アジア・太平洋地域をはじめとする世界の平和と安定に欠かせない国際公共財なのだ。

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