「同一労働同一賃金」経済界は賛同表明も本音は困惑

 安倍晋三首相は、正規・非正規の雇用形態にかかわらず、同じ仕事には同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」の実現を経済界に求めている。経済界は首相の意向に賛同する姿勢をみせるが、日本特有の雇用慣行を根本から見直して欧州並みにするには障害が多く、首相の発言に困惑する幹部も少なくない。どこまで踏み込むか、容易ではなさそうだ。(平尾孝)

 「首相は正規、非正規の不合理な格差解消の実現を表明している。方向性そのものには賛同する」

 経団連の榊原定征会長は24日の記者会見で、首相が掲げる同一労働同一賃金を支持する構えをみせた。

 日本では、非正規社員の賃金は正規社員の6割程度とされている。

 同一労働同一賃金で先行する欧州では、客観的な根拠によって正当化されない限りは、正規社員と非正規社員との間で賃金の差をつけてはいけないことを法文化している。

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