同市の広報担当者は「特に南部の市町村では急速な高齢化が進み、今回の結果は予想できた。いかに住民にとどまってもらい、新規転入につなげられるか、知恵を絞りたい」と語った。
減少率が11・95%で最も高かった府最北端の能勢町の担当者は厳しい現状を踏まえた上で「農村暮らしを求めて移住する若者も増えている。府内では貴重な農村地域という特色を生かし、魅力を発信していきたい」と話した。
近畿の他府県でも、すでに人口の減少傾向は顕著になっている。
兵庫県内の人口減少率は前回調査比0・92%で、阪神大震災があった7年を上回り、過去2番目の高さ。前回調査より6340人減少した神戸市は、福岡市に抜かれ政令市で6位に転落した。久元喜造市長は22日の定例記者会見で「都市の規模を追い求める時代ではない。神戸の良さに磨きをかけ、人口減に対応したい」と述べた。
京都府は減少率1%で前回調査から2回連続減となった。ただ、京都市など4市2町は増加しており、府内でも二極化が進む。
平成17年から、人口減少が続いているのは奈良県。今回は調査を取り始めた大正9年以降、最も高い2・6%の減少率となった。
滋賀県は25年の総務省の人口推計では、近畿2府4県で唯一の「人口増加県」となった。平成27年国勢調査の速報値はまだ出ていないが、近年は首都圏や中京圏への人口流出が目立ち、25年12月をピークに減少傾向にある。
近畿大の久隆浩教授(都市・まちづくり)は「交通の便が悪かったり、密集市街地が多く高齢化が進んでいたりする自治体では人口が減少する傾向にある。今後劇的な好転は望めないが、空き家の活用など、今まで以上の創意工夫が求められる」と話している。