家庭が自由に電気の契約先を選べる今年4月の電力小売りの全面自由化に向け、東京電力は、柏崎刈羽原子力発電所がある新潟県で家庭用電力販売を行う検討を始めた。県内が東北電力管内のため、東電の原発が立地しながらも県民との縁は薄い。越境販売が可能になる自由化を機に、県内に参入しつながりを深めるのが狙いだ。存在感が一気に高まる家庭用電力販売は、新潟本社の設立、県内限定CMに続く、原発再稼働に向けた大型の地ならし第3弾ともいえそうだ。
◇
「新潟県の皆さんが東電から電気を買いたいと思っていただくことが大事。そうであれば当然(電力販売を)考えないといけない」
2月初旬、産経新聞の取材に応じた東電の広瀬直己社長は、県民との関係強化を図る上で最適な新潟での家庭用電力販売についての質問に、前向きにこう応えた。新潟での家庭用電力販売は年明け、広瀬社長が年初のあいさつで新潟を訪問したときに改めて話題に上り、県内での関心は高い。