※この記事は月刊正論3月号から転載しました。ご購入はこちらへ。
意外な結果…プロローグ
下馬評では「1勝1敗」というのが大方の見方だった。場合によっては「2敗」ということも十分あり得るという見方もあった。現在は、夫婦別姓に反対の政治家たちが政権を担っている。さすがの最高裁も政権に真っ向から歯向かう判決は出さないだろう。しかし、再婚禁止期間は、廃止を言い、DNA鑑定の導入を言い出しかねない。何しろ、2年前(平成25年9月)には、非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定を違憲と判断した最高裁だ。メンバーはほぼ変わっていない。国民意識の変化だの、国連の委員会の勧告があるだのとの理由を挙げて、日本国民の家族観を大きく揺るがす判決を出すのではないかと思われた。メディアも朝日、毎日、日経は、判決に先立って、連日、夫婦別姓制導入、再婚禁止期間廃止に向けてのキャンペーンを張っていた。最高裁に圧力を掛けることを目的としたものであることは明らかだった。