サントリー物語、英国へ響け ウイスキーの哲学広めファン定着へ 社員を「大使」に

老舗高級百貨店「ハロッズ」の特設棚の前で日本ウイスキーの「物語」を伝える三成慶太さん(左)=ロンドン(藤原直樹撮影)
老舗高級百貨店「ハロッズ」の特設棚の前で日本ウイスキーの「物語」を伝える三成慶太さん(左)=ロンドン(藤原直樹撮影)

 サントリーホールディングスがウイスキーの本場・英国で、日本ウイスキーの起源や製造法などを広める活動に乗り出した。同社のウイスキー輸出は拡大を続けるが、今は珍しさだけで受け入れられている面もある。このため、試飲を基本とした従来の販促から、社員によるセミナーなどで「物語」を伝えファン定着をねらう。同社は「日本のウイスキー普及は第2段階に入った」と意気込んでいる。(藤原直樹)

老舗高級百貨店に特設棚

 昨年12月、ロンドンの老舗高級百貨店「ハロッズ」のウイスキー売り場の入り口近くにサントリーの高級ウイスキー「響ジャパニーズハーモニー」を並べる大型の特設棚が設置された。ハロッズが日本ウイスキーを大々的に売り出すのは初めてで、価格は64・95ポンド(約1万500円)と日本の約2倍だが、売れ行きは好調という。

 特設棚は商品をただ並べるだけでなく、サントリー創業者の故鳥井信治郎氏のウイスキー造りに対する思いや、「山崎」など同社の蒸留所を紹介するパネルも展示。ハロッズの蒸留酒部門でバイヤーを務めるニック・フレミングさんは「日本ウイスキーの人気は高まっているが、しっかりと歴史や哲学を広めないと一時的な流行で終わってしまう恐れがある。いまは重要な局面だ」と指摘する。

 サントリーの昨年のウイスキーの輸出は25万6千ケース(1ケース=700ミリリットル瓶12本換算)で前年から12%増加した。世界生産量でも、日本のウイスキーはトップのスコッチウイスキーの1割程度ながら、世界5大ウイスキーの一角を占めるアイリッシュウイスキーを上回っている。欧州の権威ある賞も多数受賞しており、品質に対する評価も高い。

社員を「大使」に

 それでも、英国での認知度はまだ高くない。スコッチの本場スコットランドでは、歴史ある多数の蒸留所が独自のこだわりでウイスキーづくりを続けている。本場のファンは味だけでなく、蒸留所の歴史や製法などを理解したうえで、ウイスキーを楽しんでいる。

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