西論

建国記念の日 日本否定の戦後思潮克服を

 だが戦後はほとんど上演されることがなかった。本稿の文脈でいえば、日本を否定する思潮がこの曲をタブーとしてしまった。

 本公演、追加公演とも感動が会場を支配した。否定され傷ついた日本という国が、気高く立ち上がってくるように筆者は感じた。

 このような潮流の変化が、いまさまざまなところで起こっている。慰安婦問題でおとしめられた日本の名誉回復を図ろうとする動きしかり。占領下にできた憲法の改正を議論しようとする動きもしかりである。

 本稿は建国記念の日に反対する動きを中心に述べた。しかしこの日を祝う瑞気(ずいき)が、あちこちにあったことも書いておく。その喜ばしさがこれからはこの国に満ちるよう、願う。   (大阪正論室長・河村直哉)

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