ブームはいつも「誤解」から生まれる。実は「ゆるキャラ」を一気に広めたのはマスコミ。奈良の「せんとくん」が批判されたり滋賀県彦根市の「ヒコにゃん」に使用停止問題で騒がれたとき、「地方のキャラクター」と書いて「何か違う」と思ったマスコミの人たちが、「ゆるキャラ」を使ったんですよ。マイナスの意味で使われ始めたにもかかわらず、すごく普及するうちに、価値が裏返って「いいもの」になった。最初は「うちのマスコットはゆるくない」と苦情もあったのに、「うちのゆるキャラをぜひ紹介してください」と頼まれたり。
「昨今のゆるキャラがゆるくないのをどう思いますか?」なんて、時々新聞記者に聞かれたりするけど、答えようがない。こっちはカテゴリーを作っただけ。自分が「どーかしてた」ら、最終的に世の中が「どーかしてた」んだね。
<新刊『「ない仕事」の作り方』では、自らの仕事術を惜しみなく明かしている>
まずいっすよね。でも「一人電通」と言いつつも、絶対仲間がいた。編集者だったりイベンターだったり。
あと2年で還暦。サラリーマンには定年があるけど、僕の「一人電通」は、ひらがなの「みうらじゅん」という奴をタレントとして雇ってる感覚。あいつ、結構なトシなんで、年齢を利用する手もある。若い頃は変なことを言うと「わざと言ってる」「奇をてらってる」と思われがち。確かにわざと言ったこともあるし、わざとじゃないこともある。
還暦を過ぎれば、たぶん迫力出ると思うよ(笑)。「あいつ、本気だな」と。トシなのに長髪なのも、前は「バンドやってるのか?」とわかりにくかったけど、今はもう「変な人」だと説明なしにわかってもらえるので便利。で、意外と「あの人の話を聞いてみようか」ということになると思う。「まだ使いでがある」と思って、あいつを雇ってるんですけども。
=前半部分は1月掲載記事を再掲載