異能の人・みうらじゅんに聞く

「完全に自分をなくすと、すごく爽快」「ブームはいつも誤解から生まれる…」

 <2009年に東京国立博物館(東博)で開催され、100万人近く動員した「阿修羅展」では「阿修羅ファンクラブ会長」として、人気沸騰の阿修羅像フィギュアを提案したりと、ユニークなアイデアで展覧会を盛り上げた>

仏像のフィギュアを売るなんて、以前なら冒涜と言われたと思う。阿修羅展のような展覧会ができたのは、「次世住」の若い感覚があったからだと思うよ。ガラスケース無しの露出展示で、阿修羅像を360度から見られる展示なども、以前なら絶対できなかったこと。博物館側の見せ方も、ずいぶん変わってきた。

 昨年、東博で「インドの仏」展の「インド仏像大使」をやらせてもらった時も、「360(さんろくまる)はマスト」と話した。お堂では見られない角度で見られるから、展覧会にわざわざ足を運ぶ。

 <お坊さんがあるある話を披露するバラエティー番組「ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系)なども人気だ>

 いま、「次世住」のお寺に行っては、話を聞いたり写真撮ったりしてる。「次世住」が熱いよ。

 〈「マイブーム」の生みの親、みうらじゅんさん。自分が「面白い!」と夢中になっているものが、すんなり世の中に受け入れられるとは限らない。そこで「マイブーム」を世の中に広げるための戦略を、「一人電通」と呼び実践している〉

 ネタを考えるのも、名前を付けるのも、デザインや見せ方を考えるのも自分。雑誌やテレビやイベントで発表したり、編集者と飲んで接待するのも自分。肝心なのは「自分ありき」ではなく、「自分をなくす」状態、「どーかしてる(DS)」状態まで、我を忘れて取り組んでみること。

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