日教組の授業(中)

「成績の良い子は原発賛成。放っておけない」と訴える先生も登場 小1から「怖さ」「避難」などをキーワード指定

 男性教諭は原発に関する授業の成果として「子供たちに考えるきっかけを与えられたことが一番の成果」とし、「教員自身が原発の怖さや事故の被害を学習し、反原発に関しての平和教育の大切さを共有できた意義は大変大きいと感じた」と総括した。

 リポートの最終項では、昨年8月に鹿児島県で川内原発が再稼働したことに言及した上で「反対住民も多くいるなかでの再稼働」と批判。また「福島事故の検証・反省が不十分であるにもかかわらず、『重要なベースロード電源』と位置づけたから再稼働するといった国民置き去りの状況」とも記しているが、地元の泊原発の再稼働への危機感が念頭にあるのは容易に想像が付く。

 リポートのタイトルに「反原発をめざした平和教育」と掲げるように、授業には子供たちを特定の結論に誘導する意図が透ける。もちろん、大惨事となったチェルノブイリ原発事故や東京電力福島第一原発事故を強調するまでもなく、国民の間に原発事故への恐怖心があるのも確かだ。だからといって、児童・生徒に恐怖心をことさら強調するような授業はいかがなものか。

 また気になったのは、今回の教研集会での原発授業をめぐる議論で、原発再稼働について賛成する児童・生徒への先生たちの本音だ。ある女性教諭はこう言い放った。

 「成績の良い子やリーダー的な生徒の中には原発再稼働に賛成する傾向がある。将来的に政治家や経済界を牽引する立場になっていくのだろうが、だからといって(再稼働賛成に)放っておくことはできない」

 再稼働賛成派の生徒を是が非でも反対に誘導しようとする思惑は露骨というほかない。

 エネルギー小国、日本の将来を考える上で避けては通れない原発問題。さまざまな角度から慎重に吟味すべきテーマのはずだが、一部の教室の中では、健全な議論を育む環境にはほど遠いようだ。

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