川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者の男女3人が転落死した事件で、このうち男性1人をベランダから投げ落として殺害したとして、殺人容疑で逮捕された元職員、今井隼人容疑者(23)=横浜市神奈川区立町、写真=が、ほかに死亡した入所者2人についても殺害への関与を認めていることが16日、捜査関係者への取材で分かった。
今井容疑者が任意の事情聴取で「入所者の言動に腹が立って転落させた」という趣旨の話を、逮捕後は殺意を認め「むしゃくしゃして投げ落とした」と供述していることも判明。神奈川県警は、今井容疑者がいらだちを募らせて殺害に及んだ可能性もあるとみて、詳しい動機や経緯の裏付けを進める。
今井容疑者は、平成26年11月3日午後11時ごろから翌4日午前1時50分ごろ、入所者の丑(うし)沢(ざわ)民雄さん=当時(87)=を4階ベランダから投げ落とし、殺害したとして逮捕された。
同施設では、同年12月9日に当時86歳の女性が4階ベランダから、同月31日に当時96歳の女性が6階ベランダから相次いで転落死したが、今井容疑者はこの2件への関与も認めている。