ハウステンボス、ロボット開発へ今春にも新会社 製造業に本格参入

ハウステンボスの「変なホテル」で宿泊客の荷物を運ぶポーターロボット
ハウステンボスの「変なホテル」で宿泊客の荷物を運ぶポーターロボット

 大型リゾート施設ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)の沢田秀雄社長は15日までに、ロボット開発を行う新会社を今春にも設立することを明らかにした。場内で接客やショーを担うロボットを開発し、生産工場建設も視野に入れている。接客の現場でロボットのノウハウを蓄積し、将来的には技術や部品の外販を進める。(九州総局 高瀬真由子)

                  ◇

 HTBは昨年7月、ロボットが稼働する「変なホテル」を開業した。

 ホテルには安川電機やシャープに加え、国内のベンチャー企業と共同開発した約80台のロボットを配置した。

 フロントには恐竜や女性型のロボットが並ぶ。部屋までスーツケースを自動搬送するロボットに加え、部屋には「電気を消して」というと自動で暗くなる「ちゅーりーロボ」を置いた。 もともと、人件費を抑える狙いで導入したが、変なホテルの稼働率は2月で8割と人気が高く、3月に2期棟を開業する。

 今後、ロボットの魅力を集客に活用するとともに、HTBを実証実験の場として、ロボット技術開発を推進しようと、新会社設立を決めた。優秀な人材が集まる東京にも拠点をつくる計画だという。

 HTBは今年7月、ロボットをテーマにした新エリア「ロボットの王国」を開業する。ロボットが、レストランのサービスや、ダンスショーをする。

 エリア内では、最新技術を体感できる施設を整備し、小型無人機「ドローン」を使ったルームサービスや光のショーなども念頭に置いている。新会社では、こうした技術の進化にも力を入れる。

 沢田氏は産経新聞の取材に「世界有数のロボットカンパニーを目指し、さまざまなところと技術提携して生産体制を整える。まずは東京でテスト工場をつくり、将来的には場内に工場をつくりたい」と述べた。

 沢田氏はパークを「観光ビジネス都市」として発展させることを目指している。製造業への参入で、HTBは新たな展開に入る。

会員限定記事会員サービス詳細